2008年8月18日(月)

北京五輪での日韓メダル争い


 北京五輪は折り返しとなり、後半戦に入った。各競技のメダル争いも熾烈を極めているが、主催国・中国と歴代1位の座にあった米国との金メダル争いも面白い。

 前回のアテネでは金36、銀39、銅27個の米国が金32、銀17、銅14個の中国を抑えて、総合1位となったが、今回は8月17日現在、金メダルでは35個の中国が、19個の米国を約2倍も引き離している。メダル獲得数でも65対61とその差は4個と迫っている。中国が五輪史上初めて米国を抜いて総合1位になる可能性が極めて高い。

 日本と韓国のメダル争いも目が離せない。
 アテネでは日本は金16、銀9、銅12の合計37個。総合順位5位。一方の韓国は金9、銀12.銅9の合計30個で総合で9位。メダル獲得数で日本が韓国を大きく上回った。
 しかし、今回の北京五輪では金の数は8個と並んでいるが、韓国は銀(9)と銅(5)合わせて14個。これに対して日本は銀(5)と銅(7個)が12個。メダルの数では韓国が2個多い。その結果、現在の順位は韓国が6位と、7位の日本を一歩リード。これから韓国のお家芸のテコンドーが控えていることから最終的にはメダル争いで韓国が日本を上回るのではとみられているが、勝負事は下駄を履くまでわからない。

 一方、北朝鮮は昨日の体操女子跳び箱で体操史上2度目の金メダルを獲得し、これにより金メダル2、銀1、銅3個の合計6個を獲得し、アテネの5個(銀4、銅1)を1個上回った。男子射撃でドーピング違反によって銀と銅を剥奪されなかったら合計で8個と、バルセロナの9個(金4個、銅5個)に続く「躍進」となるところだった。

 北朝鮮選手団はIOCに対して「キム・ジョンス選手は北京五輪到着後から心臓がどきどきして、息苦しかったので選手村の医務室で治療を受け、薬を処方してもらったが、二日経ってもおさまらなかったのでわが国選手団の医療陣から救心丸を貰って飲んだだけだ」と異議申し立てをしたが、却下された。

 金選手の体内からベータ遮断薬の一種、プロプラノロールの陽性反応があったことからIOCは薬物違反でメダルを剥奪したわけだが、本当に救心丸によるものならば、本番前に服用させた北朝鮮のドクターもコーチも無知か、アホかのどちらかだ。これまで国際競技には何度も出ているので「知らなかった」とか「国際経験が乏しい」ということは言い訳にはならない。

 しかし、キム・ジョンス選手よりもアテネでの活躍が期待されていた北朝鮮No1の射撃手、キム・ヒョンヌ選手も昨年のアジア選手権大会でせっかく手にした北京五輪への出場権をドーピングにひっかかり失ったことを考えると、北朝鮮の射撃選手らが国際競技で良い成績を収めるためコーチ陣に内緒で禁止されている薬物を服用していた可能性が高い。