2010年4月8日(木)

「竹島」大山鳴動鼠一匹出ず

 韓国の市民政治連合に結集した市民ら1、866人が読売新聞を相手取り損害賠償と訂正報道を求めた注目の集団訴訟は昨日判決があり、原告側の全面敗訴となった。

 原告側は読売新聞が、2008年7月の日韓首脳会談で、福田康夫総理(当時)が中学校新学習指導要領解説書に竹島を表記することを通告した際、李明博大統領が「今は困る。待ってほしい」と要請したと、2008年7月15日付で書いた記事で「韓国国民の領土権と幸福追求権が侵害された」として提訴したが、ソウル中央地裁は、「名誉毀損及び損害を被る対象に原告側は該当しない」として、全面棄却した。肝心の読売新聞の報道については大統領秘書室長から「李大統領はそのような発言はしていない」との発言があったことにとどめた。

 判決は、原告側の主張を認めれば、「言論の役割と機能が極度に萎縮することになりかねない」とし、損害賠償及び訂正報道の要求をすべて棄却した。

 要はこの種の問題は、初めから訴訟の対象とはならないということのようだ。 大山鳴動鼠一匹出ず、とはまさにこのことだ。

 判決を不服とする原告側は直ちに控訴したが、読売新聞だけでなく、李明博大統領を相手に損害賠償請求の訴訟と同時に日韓首脳会談関連情報の公開を請求する訴訟を起こすようだ。