2004年5月30日(日)

小泉二度目の訪朝の評価

 小泉総理の再訪朝の評価は賛否両論に分かれているようだが、一般国民の評価が意外に高いのには少々驚いた。各紙の世論調査によると、60〜70%の国民が「評価する」とみなしている。タクシ−の運転手ら様々な人の話を聞くと、評価する対象は「何はともあれ家族5人が帰ってきた」「曽我ひとみさんもとりあえず家族と再会ができる」「10人の安否不明者も北朝鮮から白紙に戻して再調査するとの約束を取り付けた」「帰国後に直ちに家族に説明するなど疲れているのに総理はよくやっている」という声がほとんどだった。

 一方、評価しない理由は「8人全員帰国させることができなかった」「安否不明者に対しては何の回答も引き出せなかった」「家族の帰国と食糧を取引した」「北朝鮮にいいようにしてやられた」というものでした。専門家の中には「外交敗北というほかない」「小泉総理は金正日にからかわれた」と酷評する人もいた。

 前回の金永南最高人民会議常任委員長に比べてはるかに格下の外務次官が出迎えたのは明らかに非礼、冷遇以外のなにものでもないが、北朝鮮は当初空港に序列3位の朴奉珠総理が出迎える予定で、また朴総理主催の昼食会も用意していたようだ。

 ところが、直前になって金総書記とは片手で握手する、笑顔を見せない、昼食は弁当を持参し、別に取るとの情報が日本から伝わり北朝鮮側が態度を硬化させたようだ。つまり、日本側の「非礼」に「冷遇」で対応したというのが真相のようだ。

 通常ならば、二度目の会談ですから「しばらく」とか「元気でしたか」とにこやかに握手するのがあるべき姿だ。一般の首脳外交同様に昼食を共にしながら、時間をかけて懐を割って話し合えば、拉致問題ももう少し進展があったかもしれない。