2010年5月18日(火)

北朝鮮魚雷攻撃の決め手はスクリュー?

 韓国哨戒艦(天安艦)沈没事件を調べている国際民軍合同調査団の調査結果は、沈没は「北朝鮮による魚雷攻撃」との結論に達しているようだ。

 魚雷攻撃の証拠として沈没水域の海底から回収されたアルミニウムの破片と、引き揚げられた船体の一部に付着していた火薬成分の結果の他に新たにスクリューの破片を探し出したようだ。成分分析の結果、スクリューの破片は中国製か、ロシア製のどちらかであるとのことだ。

 使用された魚雷は中国製か、ロシア製のどちらかだが、両国には韓国哨戒艦を攻撃する理由がないのに比べ、北朝鮮には昨年11月の銃撃戦で大破された警備艇の「報復」という動機があること、沈没した場所が北朝鮮の海域に近いことなどの客観状況から「北朝鮮の魚雷による」と判定したようだ。もしかすると、あっと驚くような確証を手にしているとのそれらしき情報もあるが、20日になればわかること。

 一方、昨日、最高人民会議常任委員会の楊亨變(ヤン・ヒョンソプ)副委員長が韓国の「5.18光州事件」関連大会での演説の中で「南朝鮮(韓国)が沈没事件を無理やりに我々と結び付けようとしている」と、事件との無関係を強調していた。北朝鮮による初の公式反応だ。それも、最高人民会議No.2の立場にある人物が言明した。ちなみに委員長は国家元首格の金永南氏だ。

 これにより、韓国が「北朝鮮の仕業」との調査報告を発表し、北朝鮮に謝罪を求めても、北朝鮮が応じる可能性がゼロとなった。「北朝鮮の犯行」と「韓国の自作自演」で応酬した1983年の「ラングーン事件」1987年の「大韓航空機爆破事件」のパターンだ。