2011年7月18日(月)

快挙の日本女子サッカーに不祥事の北朝鮮

 W杯女子サッカーの日本と米国との決勝戦で日本は2−2の同点に追いつき、PK戦に突入した際には、多くの国民は日本の勝利を確信した。

 日本は佐々木監督が言うように本当に粘り強い。準決勝のスウェーデン戦では逆転勝利。そしてこの決勝戦でも世界1位の米国を相手に2度もリードされながらも最後まで諦めず、追い付くガッツは、本当に素晴らしい。これは、番狂わせでもなんでもない。正真正銘、日本が実力で勝ち取った優勝である。

 日本女子の初のW杯制覇は、まさに快挙である。日本のみならずアジアにとっても歴史的快挙である。

 これで、日本での女子W杯開催も夢ではなくなった。日本が世界のトップに君臨したことでその資格と権利を十分に得たのではないだろうか。是非、日本に誘致してもらいたいものだ。夏季五輪の東京誘致よりも、現実的で、その可能性は大いにあるのではないだろうか。

 日本女子の活躍に比べると、もう一つのアジアの出場国である北朝鮮は実に情けなかった。

 格上の米国、スウェーデンと同じ「死の組」に入ったことから予選敗退は致し方ないにしても、今大会では1点も取れず、2敗1分の惨敗だった。北朝鮮が得点できなかった米国、スウェーデンを相手に日本は2点、3点も取っているわけだから、技量を含め明らかにレベルが違いすぎる。

 そう言えば、北朝鮮は男子も、今年1月にカタールで行われたアジアカップでも、イラン、イラク、UAEを相手に一点も取れず、決勝リーグに進出できなかった。

 先月ホームで行われたロンドン五輪のサッカー第二次予選でも北朝鮮男子は格下のUAEを相手に0ー1で惜敗した。アウエーで辛うじて1点を取ったものの、結局は1−1で引き分け、五輪最終予選への進出を逃している。

 総じて、北朝鮮は点が取れない。選手の技量が問題なのか、それとも、練習法や作戦、戦術面に問題があるのか、素人なのでよくわからないが、北朝鮮サッカー協会そのものに根本的な問題があるような気がしてならない。

 というのも、今回のドイツ大会では出場した16チームの中で、唯一北朝鮮女子選手だけが、それも5人もドービング違反していたのである。女子サッカーでは前代未聞の不祥事のようだ。

 北朝鮮選手団は本番前の練習で雷に遭って怪我した選手らが服用した漢方薬が原因であると弁明しているようだが、もう話にならない。薬の成分も知らずに飲ますとは、呆れかえる。

 漢方薬などを飲ませば、もしかすると、ドービング検査にひっかかるかもしれないとはコーチを含め役員の誰も思わなかったのだろうか。確か、3年前の北京五輪でも二人の射撃選手が同様の薬物違反でせっかく取った銀と銅メダルをはく奪されていたはずだ。この国には「教訓」という二文字はないのだろうか。

 国際舞台慣れしていないという類の話でない。1点も取れないことも含めてやはりコーチら役員の「手腕」「能力」に問題があるようだ。

 今、アジア五輪(OCA)総会出場のため北朝鮮から5人の体育関係者らが滞日しているが、誰か一人ぐらいは早起きして、日本―米国戦を観ただろうか?日本から学ぶ謙虚さが今の北朝鮮サッカーには何より必要だ。

 快挙の日本に不祥事の北朝鮮、今大会の最大のコントラストだった。