2008年2月25日(月)

李明博政権の統一政策ビジョンと原則

 政策ビジョン

 新たな平和構築の創出(非核)と南北経済共同体形成の進入(開放・3000)で朝鮮半島平和統一の実質的土台を拡充する。

 2008年の戦略目標は「相生・共栄の南北関係の発展」にある。基礎は創造的な実用主義に立脚し、結果は生産性のあるものとする。国民の合意をベースに国際協力と調和しながら「相生・共栄の南北関係」の発展を追求する。

 推進原則

 ・南北関係発展及び平和増進に向けて一貫性をもって努力する。

 ・推進方式と手続きは「実用と生産」に基づき創造的に変化する。

 ▲実用と生産性

 国民的同意△費用対備成果△北の住民の生活の質の向上△北朝鮮の発展的変化の促進△平和統一寄与などの基準に合わせて政策を推進する。

 ▲原則は徹底、アプローチは柔軟

 ・北朝鮮核放棄の原則は徹底的に堅持する。

 ・原則的で成果のある対話を推進する。

 ・アプローチ方式は柔軟に対処する。

 ▲国民合意

 ・国民の意見を幅広く聞き、透明な政策を推進する。

 ・超党派的協力を常時化する。

 ・生産的で透明な南北協力基金を運営する。

 ▲国際協力と南北協力の調和

 ・対北政策と対外政策を調和的に推進する。

 ・普遍的な価値に立脚化した南北関係の発展を指向する。

 

 南北関係発展実行計画:3大目標・12大課題

 3大目標

 1.「非核・開放3000」の履行準備

 ・南北関係を通じた北朝鮮核問題解決の促進と支援

 ・「非核・開放3000」履行計画の樹立

 2.相生の経済協力の拡大(朝鮮半島の経済先進化に寄与)

 ・南北協力企業の困難事項の解消

 ・山林分野の協力

 ・農水産分野の協力

 ・資源開発協力

 3.互恵的人道協力の推進

 ・離散家族常時再会の体系構築

 ・ 国軍捕虜・拉北者問題解決の進展

 ※07年12月基準で登録者は12万6千787人。すでに3万3千330人が亡くなっている。現在9万3千人が再会事業の再開を待っている。このうち90歳以上の高齢者が3千人いる。

 ・北朝鮮離脱住民の定着支援強化

 ・対北支援の分配透明性の向上

 ・北朝鮮人権改善努力

 1.「非核・開放3000」の履行準備

 ▲南北関係を通じた北朝鮮核問題解決の促進と支援

 1)推進方向

 ・核問題解決努力と調律した基礎の下で南北関係を運営する。

 ・核問題の進展状況をみながら南北関係の発展速度と幅、推進方式を調整する。

 ※南北経済協力4大原則:△核進展△経済的妥当性△財政負担能力△国民合意

 2)履行計画

 ・南北対話を通じて核問題と関連した我が国と関連国の立場を直接北朝鮮に伝え、核廃棄の決断を促す。

 ・6者会談で合意した対北経済・エネルギー支援の適時提供と北朝鮮の非核化を推進する。

 ・南北会談開催時に「非核・開放3000構想」を説明する。

 ▲「非核・開放3000構想」の履行計画の樹立

 1)推進方向

 ・北朝鮮の核廃棄進行状況に伴い段階的に推進する。

 ・政府の中期財政計画に反映し、履行力を制度化する。

 ・汎政府的推進機構を構成し、体系的な履行計画を樹立する。

 ※事業の包括性と多様性を勘案し、分野別事業計画の樹立及び執行は該当政府部署が推進し、汎政府機構を通じて総括・調整する。

 2)履行計画

 ・「非核・開放3000構想推進企画団」を構成・運営する。

 ・「非核・開放3000」基本構想を中期財政計画に反映させる。

 2.相生の経済協力の拡大

 ▲南北協力企業の困難事項の解消

 1)推進方向

  [開城工団の3通問題の優先的な解決]

 ・(通行)毎日07−22時までの常時通行、電子出入り体系を構築する。

 ※通行時間の拡大(夜間通行の実施)、通行時間の指定制の廃止、出入の簡素化

 ・(通信)通信センターの建設、2008年中の有無線通信の使用を推進する。

 ※1万回線能力の「通信センター」の建設に着手する。

 ・(通関)通関検査手続きの簡素化と通関時間を短縮させる。

  [非特区地域への投資環境改善の持続的推進]

 ・「南北トラブル仲裁委員会」を早急に稼動する。

 ・開城―平壌間の陸路輸送実現による物流費の減少を推進する。

 ※仁川―南浦往復時の陸路輸送は海上輸送に比べて輸送日数が85%も短縮(7日→1日)、運賃も1コンテナあたり80%減少(720ドル→132ドル)

 ・投資保障合意書(03年8月発行)の履行力を確保する。

  [企業の困難事項解消のための国内的支援措置の平行]

 ・新規事業者に対する初期コンサルタントの支援を行う。

 ・対北投資事業への現地経営・技術指導の支援を推進する。

 2) 履行計画

 ・「開城工団協力分科委員会」を通じて開城工団3通問題を協議する。

 ・「南北経済協力制度分科委員会」を通じて我が国の企業の困難事項を解消するため北朝鮮側の改善措置を促す。

 ・南北協力コンサルティング及び技術指導支援事業のため統一部と中小企業振興団業務契約書の締結を推進する。

 ▲山林分野の協力

 1)推進方向

 ・「朝鮮半島の緑化」を具現するため北朝鮮地域に植樹を推進する

 ※北朝鮮の山林の復元、環境災害の予防及び農業生産基盤の復旧を支援する。

 ・民間次元の対北山林復旧事業を積極的に支援する。

 2)履行計画

 ・北朝鮮地域内に良苗場を造成する。

 ※沙里院地域に良苗場造成(10ha)事業を推進する。

 ・北朝鮮の山林病害虫駆除事業を推進する。

 ・民間団体による山林緑化事業を支援する。

 ▲農水産分野の協力

 1)推進方向

 △南北間の比較的優位に基づく農業分業生産体系の構築

 ・韓国側に需要がある野菜、特用作物などに対する契約栽培を通じて北朝鮮側は所得増大、韓国側は安定した農産物生産地を確保できる。

 ・生産物の迅速な輸送による南北間の流通体系改善方法も平行して推進する。

 △韓国漁民の利益を反映した南北共同協力の推進

 ・東海北朝鮮水域における韓国漁船の操業によって第3国漁船操業に伴う被害を予防する。

 2)履行計画

 ・「南北農水産分科委員会」を開催する。

 ・北朝鮮との協議結果に伴い民間投資を通じた事業を推進する。

 ▲資源開発協力

 1)推進方向

 ・経済性を考慮して段階的にアプローチする。

 ※現在3度の現地調査を終えた咸鏡南道端川地域の鉱山(亜鉛中マグネサイト)開発を優先的に考慮する。

 ・民間投資(コンソシアム方式)を通じて推進する。

 ※事業本格化時には国内年間亜鉛製鋼(07年126万トン)の25%に該当する32万トンの亜鉛製鋼を安定的に確保できる。

 ※北朝鮮はマグネサイト(40億トン、世界2位)、黒鉛(200万トン、世界3位)の他200種類のレアメタルが埋蔵されている(約3,719兆ウォン、韓国の18倍)

 ※韓国は07年には亜鉛126万トン、マグネサイト24万トンなど主要鉱物の多くを外国からの輸入に依存しているので、南北間の資源協力の必要性は増大している。

 2)履行計画

 ・「南北資源協力分科委員会」を開催する。

 ※妥当性の精密検討後、端川鉱山への投資計画を協議する。

 ・端川地域鉱山開発に投資するコンソシアムを構成する。

 ※国内企業を対象とした投資説明会の開催を並行する。

 3.互恵的人道協力の推進

 ▲離散家族常時再会の体系構築

 1)推進方向

 ・金剛山面会所開所を機に離散家族常時再会の体系を構築する。

 ・80歳以上の高齢離散家族問題を優先的に解決する。

 2)履行計画

 ・今年度離散家族交流日程を確定する(上半期)

 ※体面再会500家族、テレビ再会160家族、ビデオ再会120家族

 ・金剛山面会所の開所と常時運営(8月)

 ※再会規模の拡大と同時に、再再会など再会プログラムの多様化を通して実質的な常時再会を推進する。

 ・高齢離散家族を対象とした故郷訪問のための対北協議を推進する。

 ▲国軍捕虜及び拉北者問題解決の進展

 1)推進方向

 ・自国民保護は国家の基本責務という観点から最優先課題として推進する。

 ・人道的見地から実用的にアプローチする。

 2)履行計画

 ・まずは全面的な生死確認の実現問題について南北間協議を始める。

 ※赤十字会談だけでなく、当局者対話を通じても直接協議を行う。

 ※生死確認→再会→故郷訪問→送還と、段階的にアプローチする。

 ・既存の離散家族の枠の中での生死確認、再会を平行させる。

 ※金剛山離散家族面会所を通じた生死確認、再会の拡大及び常時再会を対象とした協議を行う。

 ※第2〜第16回離散家族再会を通じて国軍捕虜11人、拉北者14人の家族の再会が実現した。

 ▲北朝鮮離脱住民の定着支援の強化

 1)推進方向

 ・韓国行き希望離脱住民全員の国内送還原則を堅持する。

 ・安定的地域社会定着のため地方政府と民間の参与を拡大する。

 2)履行計画

 ・国内収容施設の拡充を推進する。

 ※ハナ院の増築を年内に完了する。

 ・国内入国離脱住民の定着支援を強化する。

 ※仕事場創出のため企業体と協力体系を構築する。

 ※近距離サービスによる離脱住民の満足度を高めると同時に地域社会の関心を誘導するための定着支援執行業務の地方委任を推進する。

 ※中央政府は基本計画の樹立とハナ院管理に主力し、地方政府は定着金支給及び就業支援などの業務を推進する。

 ※民間ボランティアを活用し、離脱住民の地域社会への円滑適応を支援する。

 ▲対北支援分配透明性の強化

 1)推進方向

 ・北朝鮮住民が実質的に恩恵を受けられるような方法を検討する。

 ・常駐モニタリング体系の発展を推進する。

 2)履行計画

 ・南北当局間保健医療協力事業を通じて脆弱な階層のための基本的な保健医療システムを改善、支援する。

 ・WHOなど国際機構及び民間団体と協力し、北朝鮮の乳児、産婦支援事業を拡大する。

 ・体系的モニタリングのための支援システムを確立する。

 ・食糧支援時、分配透明性改善措置を協議する。

 ▲北朝鮮人権改善努力

 1)推進方向

 ・人類の普遍的価値次元から積極的に推進する。

 ・国際社会及びNGO活動に協力する。

 2)履行計画

 ・南北当局間保健医療協力事業を通じて脆弱階層のための基本的な保健医療システムを改善、支援する。

 ・関連対策を樹立する。

 ※各種会議などを通じて国民世論の声を反映させる。

 ・関連研究資料などを体系化させる。

 ※この問題に対する国際社会の憂慮を持続的に伝達する。