2011年10月15日(土)

李明博大統領も退任後はお縄?

 李明博大統領が米国でオバマ大統領から大歓迎されている。またEUに続き、日本に先駆けて、米韓FTA(自由貿易協定)を実現させたことで、日本のメディアでもその外交手腕が称賛されている。これほど米国や日本では高い評価を受けているのに韓国では今いち不人気だ。それどころか退任後に台湾の陳水扁前総統やウクライナのティモシェンコ前首相のように「不正容疑」で逮捕されるのではとの声も聞こえ始めた。

 懲役18年の実刑判決を受けた台湾の陳水扁前総統は在職中の収賄罪でまた、ティモシェンコ前首相は同じく在職中のロシア産天然ガス輸入契約をめぐる職権乱用罪で禁固7年の実刑判決を受けたが、李大統領の場合は、不動産実名法違反と背任の容疑が掛けられようとしている。

 李大統領が退任後に備えた私邸のある土地を息子名義で購入していたことが「不動産実名法に違反している」と、弁護士出身の民主労働党のイ・ジョンヒ代表が13日に問題視したことが事の発端だ。

 問題の私邸がある土地は、李大統領がソウル市長時代の2006年にこの一帯をグリーンベルトから解除したことで土地が急騰した場所である。こうしたことから開発の利益があることを見込んだうえで、息子の名義で土地を安く購入したことは業務上背任にあたるとして、大統領退任後に刑事処罰を免れないというのがイ・ジョンヒ代表の主張である。

 この発言が波紋を呼び、現在インターネット上で実施されている世論調査(10月15日現在)では「刑事処罰に同意する」が54%と、「同意しない」(42.4%)を12ポイントも上回っている。

 また、李大統領が「現政権は道徳的に完璧な政権である」と発言したことに同様の世論調査では「同意しない」が52.3%と、これまた「同意する」(39.7%)と12.6ポイントも上回っていた。

 仮に有罪となれば、李大統領親子共に5年以下の懲役、2億ウォン以下の罰金の刑が待ち受けているが、李大統領親子だけでなく、実兄でもあるハンナラ党の実力者李相得(イ・サンドク)氏、さらには妻方の一族にも不正疑惑が持ち上がっており、李大統領ファミリーも例にもれず、歴代大統領と同様に退任後は同じ運命が待っているのかもしれない。