2010年5月1日(土)

南北首脳の「上海遭遇」は不発

 上海万博開幕式に韓国の李明博大統領と北朝鮮No.2の金英南最高人民会議常任委員長が共に出席することから、二人の出会いが注目されていたが、不発に終わった。晩餐会と開幕式と、二度遭遇するチャンスがあったが、どちらかも動きはなかった。

 二人は、2008年8月の北京五輪開幕式でにこやかに挨拶を交わしていたことから、「もしや」との期待も韓国内にはあったが、やはり、韓国哨戒艦沈没事件が災いしたのか、昨日の晩餐会では先に着席していた金委員長の後ろを李大統領夫妻は無視したままそのまま素通りした。李大統領は完全にそっぽを向き、夫人も素知らぬ顔をしていた。逆に、金委員長の方は、なんとなく「もしかしたら声を掛けられるのでは」と構えていた様子が見受けられる。

 南北の険悪化を意識したのか、主催者の中国は今回は「君子危うきに近寄らず」とばかり仲介には乗り出さなかった。むしろ、晩餐会では胡錦濤主席を真ん中に右側のテーブルに李大統領、左側のテープルに金委員長を座らせ、遭遇しないようむしろ引き離した。

 胡主席は南北首脳と相次いで上海市内で会談したが、李大統領との会談は胡主席が哨戒艦沈没について弔意を表明し、「韓国政府が科学的、客観的に調査していることを評価する」と述べたと報道されているが、金常任委員長の会談内容は一切明らかにされていなかった。