2012年4月13日(金)

発射失敗に北朝鮮はどうする?

 北朝鮮の「衛星騒動」は発射が失敗したことで一応、一段落しそうだ。よもやの失敗で、北朝鮮が受けた衝撃は計り知れないだろう。おそらく前回同様に金正恩氏が平壌の管制総合指揮所から発射のゴーサインを出して、打ち上げたものとみられる。その結果が失敗だ。金正恩氏の面子は丸つぶれだろう。成功していれば、自ら業績とするところが裏目に出たわけだから、ショックは半端ではない。父親の「衛星」発射成功の遺訓を守れなかったわけだからなおさらだ。顔に泥を塗られたとはこのことだ。

 筋書き通りならば、発射に成功し、それを今日開かれる最高人民会議で発表し、そして、明日予定されている金日成主席生誕10周年記念祝典で、党のトップである第一書記に就任した金正氏が自ら最高司令官として衛星の打ち上げ成功でもって「強盛大国の大門が開かれた」と一言発声するはずだったのではないか。そうなら、当然、このシナリオに狂いが生じることになる。

 国威発揚が国威失墜に繋がり、さらには100周年の祝賀行事に水を差すことになった今回の悲惨な事態を北朝鮮当局はどう総括するのだろうか。

 自制を求める国際社会の声に耳を貸さず、国民生活を犠牲にし、8億ドルも投じてやった結果が裏目に出たばかりか、海外から取材陣を大挙呼び寄せ、「絶対に成功させる」と大見得を切って強行しただけにこの失敗の代償は計り知れない。

 今回の北朝鮮の失敗に米国や韓国などは「ざまあ見ろ」と冷笑しているものと推察されるが、恥をさらした北朝鮮はこの負の挽回を図ろうとするだろう。