2012年5月25日(金)

日韓経済関係の現状

(1)日本にとって韓国は第3位の、韓国にとって日本は第2位。日本側統計では、2011年の二国間の貿易総額は対前年比6.0%増の約8.44兆円。
(2)日韓の産業構造は似通っており(電子・電気機器、自動車、鉄鋼、船舶等)、産業内貿易が多くを占める。
(3)韓国は半導体、平面ディスプレイ等の主力輸出品を生産するための中間財(部品、素材)と資本財(製造設備)を日本に依存しており、このため慢性的な対日赤字が発生している。2010年は2.96兆円(財務省貿易統計。韓国側統計によると約361億ドル)の赤字が発生したが、2011年は東日本大震災での物資の調達や、日本企業の韓国企業からの部品調達の増大等により2.10兆円(財務省貿易統計。韓国側統計によると約286億ドル)に減少した。なお、対日赤字の背景には、韓国の好調な対世界輸出による日本からの中間財の輸入増加、対日輸入に比しての対日輸出の伸び悩み、日本からの消費財の輸入増加等がある。
(4)日韓EPA締結交渉は、2004年11月の第6回会合以降中断。2011年10月の日韓首脳会談では日韓EPA交渉再開に合意をできるよう日本側が申し入れた。
 韓国の11年の貿易収支は約321億ドルの黒字だが,日韓貿易は韓国側の慢性的な赤字。対日貿易赤字は,10年には過去最高の約361億ドルを記録。11年は約286億ドルとなった(韓国側統計)。
★日韓貿易
 日本から輸出品:機械類(19.6%)貴金属(19.1%)化学製品(17.0%)電子機器木(11.9%)精密機械(6.1%)石油製品(3.4%)自動車(2.4%) 農林水産(0.7%)
 韓国からの輸出品:石油製品(22.8%)電子機器(20.2%)貴金属(12.5%)機械類(9.3%)化学製品(6.6%)農林水産(5.7%)プラスチックゴム(5.6%)繊維類(1.8%)自動車(1.4%)
★日本の対韓投資 近年毎年10億ドル〜20億ドル規模。11年は22.8億ドル(知識経済部)。対韓国直接投資残高は,10年末時点で約150.4億ドル。 日本の部品・素材産業の韓国進出(大口需要者である韓国企業への供給のため)が多い。 ★第3国での日韓連携
 近年、資源開発やインフラ整備などの分野における日韓企業の連携が多くなっている。(例)
 モロッコにおける石炭火力発電所の建設(三井物産,大宇建設,受注金額約1000億円(11年5月発表))
 アブダビにおける発電事業への参画(住友商事,韓国電力,総事業費約15億ドル(11年2月発表))
 インドネシアにおけるLNGの製造・販売(三菱商事,韓国ガス公社など,事業規模2300億円(11年1月発表))
★経済分野での日韓協力
ビジネス・サミット・ラウンドテーブルの設置・開催(08年4月,10月に会合を実施)。
日韓部品素材調達・供給展示会(09年4月,10年9月,11年11月),部品素材専用工業団地へのミッション派遣(09年10月,10年10月,11年10月)
日韓中小企業政策対話(08年6月,11月,09年7月(日韓中小企業官民合同会議)に実施),中小企業CEOフォーラム(09年7月)
環境分野での協力(日韓グリーン・パートナーシップ構想の立ち上げ(09年10月),気候変動に関する日韓ハイレベル協議(09年11月),日韓環境保護協力合同委員会(11年9月),きれいで豊かな海を共に守るための日韓実務協議(09年2月,10年3月)